支払猶予要請・支払停止への対応
取引先から支払猶予の要請があった場合や支払が停止された場合にはどのように対応すればよいのでしょうか。以下で対応を整理してみましょう。
1 今後の合理的な支払の見通しを確認する
突発的な事情により支払ができなくなったものの、ここを乗り切れば、間違いなく支払ってもらえるのであれば、今後も取引が続くのですから支払猶予に応じてもよいかもしれません。しかし、取引先の説明を鵜呑みにするのではなく、根拠を十分に確認する必要があります。
2 出荷停止
支払のないまま出荷を続けると、不良債権が増えてしまいます。今後の支払の可能性、売掛金の金額、更には取引先との関係なども考慮したうえで、出荷を続けるのか、出荷を停止するのか判断する必要があります。
3 残高確認書の作成
支払を猶予するのなら、最低でも残高確認書を作成してもらい、将来、売掛金残高についての争いがないようにしましょう。
4 保証人や担保の徴求
それまで保証人や担保がないのであれば、支払猶予と引換えに保証人や担保提供を要求しましょう。支払猶予要請時は保証や担保を取得するチャンスでもあります。
5 商品引揚
取引先と協議して貴社の商品を引き揚げることを検討しましょう。
6 相殺
貴社が取引先に対して債務を負っているのなら相殺することができます。
7 手形を振り出してもらう
手形を振り出してもらえば、支払わなければ手形不渡りとなってしまいますので、支払の可能性が高まります。
8 公正証書の作成
公正証書を作成すれば、支払がないときには強制執行することができます。
取引先との関係、取引先の状況によりいろいろな対応が考えられますので、状況にあわせた対応が必要です。